蜘蛛も昆虫系のタトゥーではその形の美しさからよく彫られるモチーフ。
蜘蛛自体は悪意・絶望などの象徴とも言われますが、逆の意味でもある希望の象徴とする説もあります。
芥川龍之介の小説「蜘蛛の糸」でも、空からカンダタを助けようと細い蜘蛛の糸を垂らすシーンがありますね。
そういった部分からも、絶望と希望・両方の象徴と言われる要素があるのかと思います。
また、コツコツと蜘蛛の巣を張っていく姿から願いを叶える為に努力する、といった捉え方もできるようです。
谷崎潤一郎の小説「刺青」にも見られるように、洋彫りだけではなく和彫りのモチーフとして使用されます。
和彫りとしての蜘蛛
小説「刺青」では、彫師である清吉が女に女郎蜘蛛の刺青を生命をつぎ込んで彫るというシーンがあります。
その女郎蜘蛛は、他の人間(特に男性)の羨望や恋焦がれる思いを肥やしにして、その女を更に美しく怪しく彩っていく・・・
ちょっと怪しげな美しさが、蜘蛛のイメージと重なっているのかもしれません。
蜘蛛の糸・蜘蛛の巣は、美しい形でありながらも壊れやすく儚いものとして捉えられます。
蜘蛛がその巣を紡いでいくことから、織物などを連想させるパターンもあるようです。
アメリカン・トラディショナルでも蜘蛛の巣(スパイダーネット)はよく使われますが、そこには「ネット(網)に女性が引っかかるように=モテるように」なんていうジンクスがあったりもします。
蜘蛛の巣と蜘蛛のデザイン
蜘蛛の巣から今にも落ちてしまいそうな蜘蛛。丁寧に影を付けているので、まるでそこに蜘蛛がいるかのようです。
かわいいワンポイントの蜘蛛
かなりデフォルメされた可愛らしい蜘蛛のタトゥ。こういったシンプルなデザインは個人的に大好きです。黒と赤だけですが、バランスよく愛嬌のある蜘蛛だと思います。
小さな蜘蛛が体の何処かにちょこんといる、なんて想像しただけで微笑ましい
オールドスクール調のスパイダーネット
オールドスクールな十字架・バラ・スパイダーネットのデザイン。典型的なトラディショナル柄で、こういったデザインは今でも高い人気がありファンも多いです。
インパクトのある太めのラインが印象的。
ブラック&グレーのリアルなスパイダー
パリで行われたタトゥーアートフェスタにて、コンテストでベスト・オブ・ザ・デイを受賞したという蜘蛛のタトゥー。機械的にアレンジされた蜘蛛が、骸骨の上から這い出してきているような前衛的なデザイン。きれいにグラデーションがかけられた写実的な作品。
すごくレベルが高い!
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