日本の伝統的な刺青・彫り物の事を総称して和彫りと言います。
公的な文章などでは、入れ墨と表記される場合もありますが、入れ墨とは江戸時代に刑罰で使用された墨の事を指すイメージが大きいため入れ墨という表記を好まない愛好家の方も多いようです。
刺青という記述もよく見られますが、こちらも和彫りを指す言い方です。読み方はイレズミ、シセイなどと呼ばれます。谷崎潤一郎の小説「刺青(しせい)」以降に広く一般的に使用されるようになりました。
和彫りの特徴
伝統的な和彫りでは、外国のタトゥーのようにワンポイントの絵柄を彫る事は少なく背中一面の大きな絵柄をはじめ、両肩から腕にかけて(カイナ)や絵柄によっては、全身を覆う形に彫るのが通常です。和彫りでは、体一面を一つの大きなキャンバスとして捉えるのです。
伝統的な和彫りの形が形成されたのが江戸時代という事もあり、着物を着た際に見えない部分に大きく彫るのが和彫りの特徴と言えそうです。
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和彫りの絵柄
和彫りの絵柄として多く使用されるのは、竜や虎・鳳凰・唐獅子などの動物や歌舞伎の主人公達、水滸伝、歴史上の人物、守り本尊などです。メインの絵柄の他に、花を色のアクセントとして彫る事も多く桜や牡丹・菊の3種類が和彫りの花として彫られます。
例外的に、夏祭浪花鑑の団七九郎兵衛を彫る際には花として朝顔を彫る事があります。
和彫りの特徴として、メインの絵柄と花の他に「化粧」と呼ばれる背景で絵柄と絵柄を一つの大きなデザインとして捉えるように彫ることがあげられます。
和彫りをぱっと見て、黒い部分が多く感じられる事が多いのはこの化粧のイメージが強いせいもあるでしょう。
化粧(背景)を彫っていない和彫りのパターンを、抜き彫りと呼びます。
洋彫り
和彫りとは反対に、海外で生まれたタトゥーの事を総称して洋彫りと言います。和彫りと区別するために、その他のタトゥーをひとくくりにして「洋彫り」と呼ばれますがアメリカンタトゥーやサモアなどの伝統的なトライバル、ヨーロピアンタトゥーなど一言では言い表せないくらい、様々なパターンが存在します。
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[...] This post was mentioned on Twitter by シンキチ, tattoodesign. tattoodesign said: 和彫り・洋彫り http://tattoo.jpn.org/type-of-tattoo/wabori-yobori/ [...]